2012年 07月 28日
おとめちゃん
(ちばわんさん 愛護センターレポート 7月17日より転載)
いつも見ている愛護センターレポート。
茶々くんもこのセンターから我が家にやってきました。
「愛護」と付いていますが、収容期限の切れてしまったワンコやニャンコたちがたどるのは、
殺処分という恐ろしい現実が待っています。
正直「愛護」なんて付けないでほしい...そんな思いで見てしまうことも。
おとめちゃんはこのセンターに収容された高齢犬です。
歩くのもままならない高齢犬です。
どうしておとめちゃんがここに来てしまったのか、考えたくもありませんが、
悲しいことにたどり着いてしまったんです。
飼い主が迎えに来たり、新しい親が見つからなければ、
確実に殺処分されます。
救ってあげたくても救えないほどたくさんのワンコたちがここにはいます。
本当はレポートなんて見たくない、でも現実から目をそらしてはいけないのです。
誰か助けてあげて欲しい...検疫にかけてもらえますように...
いつかもう一頭ぐらい、我が家で迎えてあげたい...
毎日そう考えながら見ていたレポート。
おとめちゃんはその目から何かを訴えていたのだと思います。
私たち二人は、おとめちゃんに惹かれました。
理由は正直わかりません、「助けてあげたい」思いが一致しました。
もしかしたらこの子は誰かが引き出してくれているかもしれない...
でもそうでなかったら?
殺されてしまうと考えただけで、気になって気になって仕方がありませんでした。
ふたりで迎えに行こう、そう決めたのが収容期限である23日でした。
ちばわんさんと連絡が取れましたが、引き出せるのは期限の翌日からということでした。
仕事柄当然休めませんので、ユベリコブタさんが休みの27日が最短でした。
それまでがんばって!!迎えに行くから!!
しかしその時点でかなり弱っていたようです。明日の朝まで無理かもしれないと聞きました。
諦めてしまいそうになりました。
でも迎える準備をして、一日一日が早く過ぎてくれるのを待つしかない。
「おとめちゃん」という名前はこの時決めました。
いっしょにいたユベリコさんが、道路でいっぱい踏まれてボロボロになった1円玉を見つけたんです。
最後のワンチャンスかもしれないねと、祈るような気持ちでした。
茶「懐かしいボクのサークルを用意しました!」
茶々くんの仮親さんをしてくださっていたモカママさんとも連絡がとれ、
26日にセンターから引き出してもらい、モカママさん宅へその夜に迎えに行くことにしました。
この時点でおとめちゃんは殺処分を逃れることができたんです。
その次の日から、おとめちゃんは点滴をしてもらいながらがんばり続けました。
愛護センターで点滴をしてくれるなんて初めてのことではないかと、あとから聞きました。
我が家に向かうその日まで、獣医さんが特別室に入れてくれて診てくださいました。
どうお礼を言っていいかわかりません...
「動いている」「吠えていた」と日々の様子を聞くたびに、嫌な仕事もがんばれた気がします。
獣医さんには本当に感謝感謝です...
当日センターでのことはおそらくレポートで報告があるのではないかと思います。
ほとんど意識もないような状態だったそうです。
それでも私たちに届けようと、ちばわんの皆さんが助けてくれました。
とにかく仕事が終わったらすぐ迎えに行く、行くから待ってて、少しだけがんばって...
しかし出発しようと車に乗った17:36頃、モカママさんより亡くなったという連絡がきました。
でもすぐ思ったんです、センターを出て家庭の匂いがするところで亡くなれてよかった、
でも間に合わなくて、間に合わなくて...ごめんなさい。
生きているうちにひと目会いたかった...
でも最後に人のぬくもりは感じられたかな...
人間を少しは許してくれただろうか...
いろんな思いがこみ上げながら、予定通り迎えに行きました。
モカママさん宅に到着できたのは夜20時過ぎ。
モカママさんご一家にも本当にお世話になりました。
モカママさんにも辛い思いをさせてしまいました...すいませんでした。
帰りの車内は、助手席に乗ったおとめちゃんに話しながら帰りました。
「家へ帰ろうね」
「お帰りなさい、ようこそおとめちゃん」
我が家に帰りユベリコさんや茶々くんに会うことができました。
叶えてあげられなかった思いを話し終わった後、おとめちゃんをお風呂に入れてあげました。
頬や足には床ズレができ、あちこちに毛玉、爪も伸びていて、他汚れで固まっていましたが、
きれいになるとなんだかとっても美人さんで、毛もフワフワしていて、かわいい女の子です。
その日の朝、今年我が家の庭で初めて咲いた、前の家から移植したむくげの花。
おとめちゃんを迎えるかのように咲いていたんだよ。夜中だから他にお花がなくてごめんね。
首輪は二人で選んだんだよ、女の子だからやっぱりピンクだね。
その後は痛むといけないので、おとめちゃんは冷房をきかせたサークルの部屋でお休み。
私たちは別々の部屋で寝ざるをえませんでした。
でもその夜はおちゃわんは眠りが浅く、ずっとおとめちゃんの匂いがしていました。
ユベリコブタさんは近くで話すような?鳴いているような女の子?の声がしたと...
魂は近くに来ていたのかもしれません、いっしょに寝たかったんだよね。
当初迎えに行く予定だった今日、ユベリコさんがとあるお寺さんへ連れて行ってくれました。
おとめちゃん、無事に荼毘にふせられました。
今回我が家の子として迎えたいという思いを、多くの方たちが叶えてくださりました。
残念ながらおとめちゃんは虹の橋を渡って行ってしまいましたが、
助けてくださったみなさんには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
おとめちゃんはどう思ってくれているか、定かではありませんが、
殺処分の機械に入れられずに済んだだけでも、ありがとうと言ってくれている気がします。
私たちの方こそ短い間でしたが、おとめちゃんにありがとうと言いたいです。
人間は勝手な生き物です。
人間の都合で愛したり、時に殺してしまうんです。
人間を信じあなたのそばにいたいと言ってくれているにも関わらず、
むごいことをするんです。
でもすべての人間がそうではありません、だから、だから少しでいいから許してほしい...
一頭でも多くのワンコやにゃんこたちが、こんな目に会わず救われてほしい
これからもできることは精一杯がんばるから、おとめちゃんに見ていてほしい
おとめちゃん、教えてくれてありがとう
我が家に来てくれてありがとう
by my-tyatya
| 2012-07-28 02:51
| 幸せの権利